車の購入費は別。カスタムとギアだけで200万円を溶かした1年半
この1年半、私は完全に狂っていた。
「ハイエースさえ買えば、すべてが解決する」と本気で信じていた。しかし現実は違った。
足回りのカスタムに始まり、メディアで「必須」と煽られる最新のテントや便利ギアたち。車の本体価格すら含めずに、私はカスタムとギアの追加だけで200万円以上の金を溶かした。
金を使えば使うほど、キャンプは快適になるはずだった。しかし、何が起きたか。
金曜の夜から始まる、テトリスのような終わりの見えない積み込み作業。現地に着けば、持ってきた道具を「すべて展開しなければ損だ」とばかりに汗だくで設営する。
そして日曜の朝、かじかむ手で油ギトギトのクッカーを洗い、泥を落とし、またパズルをして荷室に押し込む絶望。
月曜の朝、全身の筋肉痛と強烈な疲労感を引きずりながら出社するたび、私は自分に絶望していた。
「俺は週末、高い金を払って、大自然の中で一体何の苦行をしに行っているんだ?」と。
世の中のキャンプ情報は「足し算」ばかりだ
世の中のアウトドア情報は異常だ。「これがあれば便利」「これも買うべき」と、次から次へと足し算ばかりを推奨してくる。その言葉に乗せられて道具を増やした結果、私は道具の管理とメンテナンスに追われるだけの「奴隷」になっていた。
休むためにキャンプへ行っているのに、現場での作業量が爆発的に増え、ようやく椅子に座ってコーヒーを飲む頃には、もう日が暮れている。本末転倒もいいところだ。
だから私は、この狂ったループを強制終了させることにした。
私が本業で行ってきた「プロセスの最適化」と「システムの構築」という冷徹なメスを、キャンプというレジャーに入れたのだ。
最初に明確な線引きをしておく。もしあなたが以下のプレイスタイルを求めているなら、このサイトの情報はミスマッチになるだろう。
- 大自然の中での不便さや、手間ひまかけるプロセス自体を味わいたい人
- 豊富なギアを並べて、こだわりの空間構築(サイト作り)そのものを楽しみたい人
- 時間をかけて、手の込んだ本格的なアウトドア料理を楽しみたい人
キャンプの楽しみ方は自由であり、それらを否定する意図は一切ない。
しかし、このサイトが提供するのはそうした情緒的なスタイルではなく、設営と撤収のムダを極限まで削ぎ落とし、現場で「圧倒的な休息」を得るための冷徹なシステム運用手順である。
「時間配分」による可変型システム(MOA)の構築
MOA(Modular Outdoor Architecture:可変型アウトドア構築論)の根底にあるのは、「キャンプ場で過ごせる限られた時間内で、何にリソースを割くか」という時間配分の思考だ。
例えば、滞在時間が12時間なのか、24時間なのか、あるいは連泊なのかで、現場で「やれること」は根本から変わる。
道具が無駄なのではない。限られた時間枠を無視してフル装備を展開しようとするから疲弊するのだ。
MOAでは、キャンプを構成する要素を以下の「モジュール(部品)」として分割し、滞在時間と目的に応じて自在に組み替える(最適化する)ことを推奨している。
- 野戦糧食・補給モジュール(キャンプ太りを抑え、洗い場への移動を極限まで減らす食のシステム)
- 野営ギア・モジュール(微細なストレスを徹底排除する、手元動線の最適化)
- 環境制御モジュール(気合ではなく、熱源とウェアを論理的に組み合わせる温度管理)
- 輸送ベースモジュール(車両を単なる移動手段から、可変型の前線基地へと昇華させる機動力)
- 空間拡張モジュール(人数の変動や天候に応じた、シェルターの柔軟な選択)
事前の時間配分によって必要なモジュールだけを選択し、それらが現場で連動したとき、あなたの行動はエラーの起きない「洗練された自動化フロー」へと変わる。
すべてを持っていかなくていい。その日の滞在時間に必要な機能だけを抽出しよう。
キャンプ疲れをゼロにする「完全運用フロー」へ
各モジュールの具体的な構成と「なぜそれを選ぶのか」については、このサイトの無料記事ですべて公開している。
しかし、「それらのモジュールをどう組み合わせ、車にどう積み込み、現地でどういう手順で動けば、最速で撤収できるのか?」
そのすべての解答となる「具体的な行動フロー(How)」をまとめたものが、以下の【MOA運用マニュアル】である。
道具の管理に追われる週末を終わらせ、真の休息を取り戻すための「究極のショートカット」がここにある。